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水島博巳 社会保険労務士・行政書士事務所の所長ブログです。
2013-04-04 (木) | 編集 |

春眠不覚暁

処処聞啼鳥

夜来風雨声

花落知多少

誰でも口語訳ができます。
「春暁」(孟浩然)

昨日の春の嵐は、凄まじいものでした。
ズルズルと強風に押し戻される女の子に手を貸すオバサン。
たまたま歩道ですれ違った二人でしょう。

イソップ童話の「太陽と北風」
誰でもあらすじをお話できます。
最近の北朝鮮は北風政策でしょうか。

人間は自然に学びます。
悲しい出来事である東日本大震災。
その後の避難生活で人の絆や優しさに思いを巡らせた方も多いと思います。

一方で復興事業で利権の争い。
エセNPOの暗躍。
国家の利益。
会社の利益。
組織の利益。
はたまた「省益」なる摩訶不思議な利益。
自然に学んでいません。

春の嵐。
人に優しく暖かい春の到来を知らせてくれます。
嵐の意味を考えたいと思います。
自然に学びたいと思います。

そう言えば今朝は、とても眠い朝でした。
春眠不覚暁でしょうか。

ダルビッシュの完全試合マイナスワンが悔しい朝です。










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2013-04-02 (火) | 編集 |
入社式

昨日、多くの企業で入社式が行われました。
その様子がテレビのニュースや新聞で報じられています。

タレント総出のあるTVキー局。
公務員の心構えを独特の言い回しで説く自治体。
いち早く社員の給料UPを宣言した小売大手。
それぞれが特色のある風景です。
共通することは新卒一括採用。

かって戦前では男子20歳になると徴兵検査を受けて、郷土の連隊へ入隊しました。
万歳三唱の風景を記録ニュースや映画で見たことがあります。
甲種合格の兵役は、故郷そして家族の誉れでした。
これも新卒一括採用でしょうか。
2年間の現役兵隊勤務が始まります。

226事件。
昭和維新を目指した青年将校たちの決起。
その時代背景や思想背景、軍閥の暗躍などは歴史書にお任せします。
大部分の将校は死刑。
残った下士官と兵隊はどうなったでしょうか。
故郷そして家族の誉れであった彼らは、一転天皇陛下に反旗を翻した逆賊部隊の汚名を受けました。
絶対服従の命令。
死刑になった青年将校だけでなく、部隊の上層部は更迭。
新たに着任した部隊の上層部は、絶対服従の命令に従った下士官と兵隊を鼓舞します。
「逆賊部隊の汚名を晴らせ!」と
その兵隊のなかには、決起に参加していない次の年以降の一括採用の新兵たちも多くいました。

かって、私が勤務した銀行。
バブルの崩壊と金融再編の渦の中で、実質国有化の途を辿りました。
実質国有化後の新入社員への上層部からの訓示。
「国の資金、税金からの支援を重く受け止めて・・・」
本来、重く受け止めなければいけない幹部社員は多額の早期割増退職金を得て、既に転職しています。
大手企業のトップへ転進した幹部社員もいました。
私は、その訓示に違和感を感じました。
本当に聞かせる相手は違う・・・
今年のある航空会社の入社式の訓示にも似たような光景がありました。

東条英機首相が学徒出陣の若者を鼓舞しました。
「帝国の資源には限りがあるが、大和魂は無尽蔵である」
かって、私が勤務した銀行。
支店長会議でトップが訓示。
「銀行の資金力には限りがあるが、君達のやる気は無尽蔵である」
私は、その訓示に違和感を感じました。
科学的ではない・・・

組織が社会に存在する責任。
その組織に属する個人の責任。
新たにその組織に属した個人の責任。
それぞれの責任転嫁。

ある有名な軍人の言葉です。
「不足なるは訓練にあらずして、科学的研究の熱意と能力なり」
訓練は個人の責任。
「モチベーション」や「やる気」に依存する部分は大きいと思います。
「継続は力なり」でしょう。
科学的研究の熱意と能力を引き出すことは組織の責任。
科学的研究の継続は、まさに組織力。

新卒一括採用の入社式。
「モチベーション」と「やる気」は満点の新入社員。
彼らに科学的研究の熱意と能力を引き出すことは組織の責任です。

組織を率いるトップは、考えて欲しいと思います。






2013-04-01 (月) | 編集 |
4月1日月曜日です。
横浜は春の良い天気です。
暖かい陽射しを浴びて、新しい年度を迎えます。
お正月とは違った感慨を覚える大切な一日です。

今日から社会人第一歩を踏み出す方は緊張の1日でしょう。
学窓を離れて社会人になる。
人事異動。
定例の人事異動で、慣れ親しんだ職場を離れ、そして新たな職場に赴く。
新社会人も人事異動で職場を変わる方も、期待や不安な気持ちで心が一杯でしょう。
希望通りの職場。
不本意ながら、生活のために向かう職場。

最近、ランチの割り箸で気がついたことがあります。
事務所でランチを頂いた後、割り箸を燃えるゴミとして捨てますが、そのときに2つに折る癖が私にはあります。
近くのホテルの惣菜コーナーで買ったお弁当。
コンビ二で買ったお弁当。
街頭のランチ屋さんで買ったお弁当。
それぞれの割り箸の折れ方が明らかに違います。
コンビ二でもローソンとサークルKでは、折れ方が違います。
竹のように折りづらく、折った断面が鋭利になる箸。
少し湿り気があり、容易に折れる箸。
様々です。
再利用しないことに少々後ろめたさもあります。

新卒者や30歳未満の若年労働者の職場定着率が低下しているそうです。
夢かなった職場。
職を得ることを優先した職場。
そもそも職を得ることが出来なかった人。
様々です。
なかには「ブラック企業」と称される会社と知りつつも職場へ向かう若者もいます。

働くなかで、心が折れてしまい離職を余儀なくされるのでしょう。
自らの職業に対する心構えが甘く、容易に折れてしまう人。
パワハラ、セクハラ。
理不尽でなくとも厳しい営業ノルマ。
頑張りやさんで、ギリギリまで踏ん張り、木っ端微塵に折れてしまう人。
心が折れて、なかには身体を壊す若者もいます。
場合によっては労災です。
心の折れ方も様々です。

終身雇用や新卒一括採用、企業内だけで通用するキャリア形成。
伝統的な日本の雇用慣行。
その慣行に乗り損なうと、なかなか元にはもどれません。
再チャレンジは困難な社会かもしれません。
非正規雇用、ワーキングプアー、若年生活保護。
厳しい現実が忍び寄ってきます。

割り箸は一度折れてしまえば、元には戻りません。
人の心もそうでしょうか。
心が折れないようにするためには、どうすればいいでしょうか。
割り箸でさえ、多様です。
人の心は、もっともっと多様で複雑。
答えは100人100通りです。
答えは自分で見つけるしかないかもしれません。
たとえ、救いの手が差し伸べられても。

新しい職場へ向かう方々の心が折れないように。
春の陽射しのように、暖かい心でいられますように。

そう思いながら、新しいスーツ姿の若者を見つめてしまいました。
親心でしょうか。